業界研究Industry Research

ものづくりの最前線となる“工場づくり”へ。
プラントエンジニアリングは、産業の発展を
土台から支え続ける。

自動車工場、火力発電所、半導体工場・・・。世の中の製品を作り出すのが工場であり、プラントの集合体だ。
今は、その老朽化に対する再生やメンテナンス工事が急務だが、今後は、環境やエネルギー、LED分野の新技術による次世代の工場開発など、フィールドはますます広がっていく。

社会・経済に大きな影響を与える、
プラント・エンジニアリング。

プラントとは、製鉄、化学、医薬、金属、食品、医薬品など社会や経済を支えるあらゆる重要な物資の生産設備・装置や、発電所、ガス・石油コンビナート、下水処理場などの大規模施設を含む設備一式を指します。なお、巨大プラントであれば、国家プロジェクトとして一国の経済を発展させ社会生活に大きな影響を与えることもあります。そして、それらを開発・建造する事業をプラントエンジニアリングと呼び、国内・海外でプラントの企画、設計、調達、建設、施工管理、保守・メンテナンスなどの業務を一括、あるいは分担して請け負っています。

堅調だった業界も、コロナなどの影響で停滞を
余儀なくされる。

これまで、日本国内では、老朽化が進む国内インフラの整備やオリンピックなどによる民間の設備投資の増加があり、また、産油・産ガス国やアジアなどでエネルギーや水処理など海外需要の高まりもあって、世界に強みを持つ日本の環境技術を武器にインフラ輸出などの受注活動も活発でした。ただし、ここにきて、新型コロナウイルス感染症拡大や海外ライバルとの価格競争の激化、熟練労働者をはじめとする人手不足、原油価格の変動による先行きの不透明感などクリアすべき課題は多く、停滞を余儀なくされているのも確かです。

近未来には、新技術・新領域が展開されて活況を呈するだろう。

しかし、その一方、近年多発する自然災害への対策や、世界的な環境問題に対応するカーボンリサイクル技術や再生エネルギー関連の分野で受注が拡大していく可能性が高まっています。それに、LEDや有機ELといった技術開発をともなった新規プラントの建設も進んでおり、エネルギーの貯蔵やリニアモーターを使った物流システム、あるいは大深度地下空間の開発や海洋開発などといった将来にわたる新規の設備開発は待ったなし。プラント・エンジニアリング会社が活躍できるフィールドは着実に広がっていくでしょう。

プラントエンジニアのプロとして、
活躍を期待されている。

このフィールドで活躍する技術者はプラントエンジニアと呼ばれ、工事全般の詳細計画などを管理するプロジェクトマネジメントを主要業務とします。ただし、最近では、3次元CADによる工場の設計業務まで求められるなど業務領域は広がっており、土木、電気、化学、機械などの専門知識や、溶接、加工、組み立てなど高度な技能を有した者が求められています。そこで、機械設計や危険物取り扱い、公害防止管理者など国家資格でキャリアを重ねたり、これからプラント開発が進む海外に向けて語学力にも注目が集まるようになるでしょう。

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